このコラムでは、スポーツ、映画、本、グルメ等をテーマに、毎回言いたいことを言わせて貰おうと思ってます。
週一くらいのペースで更新していくつもりなので、お暇な方は読んで下さい。
で、記念すべき第1回目は映画。

今年に入って、何本か素晴らしい映画(「21グラム」「エレファント」「ジョゼと虎と魚たち」等)を見てしまい、永年確定していた、「心のベスト・ワン」が塗り替えられた実感があった。でも、やっぱり、「そりゃ、最近観た作品の方が、どうしても印象強いわな」ということで、やっぱりこれまでのベスト・ワンも、もう一度観てやるべきだと思ったわけです。ただ、映画とか、音楽とか、小説なんてものは、その時々の色んな状況や環境とあいまって存在するもので、あえて、今観てみると、なんか期待ほどじゃなく、がっかりしてしまうなんてことは良くある話なのです。それが心配で、長い事観て無かったのですが、意を決して観ました。

「スケアクロウ」1973年のアメリカ映画です。僕は20代の頃、映画に狂った時期があって、多い年には、年間500ッ本くらい(勿論ビデオも含みます)観てたのですが、中でも「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼ばれる作品にハマってた頃があって、この作品なんか、その代表作の一つです。あと、「タクシー・ドライバー」や、「真夜中のカウボーイ」「カッコーの巣の上で」あたりもそうですね。
で、この頃のアメリカってのは、ベトナムやなんやでもう明らかに病んでるわけですよ、ちっともカッコよくない。この作品も含めて、その頃のアメリカ映画には、旅をテーマにした作品が多くて、俗に「ロード・ムービー」と呼ばれてるわけです。
で、もう一度観直してみて、やっぱり、いいです。っていうか、「スケアクロウ」最高!!いやあ、ジーン・ハックマンとアル・パチーノ。もう、しびれまくり。

今でこそ、軽々しく「自分探しの旅に出る」などとよく言われますが、なんか、本当に居場所がない人達が、心から求めて自分探しの旅に出る。もうね、全体に流れるあの虚無な空気。褪せたフィルムの色。あの頃僕の唄が、いかにこれらの映画に影響を受けたか、全くもって再確認してまいました。
でね、最近の映画と比べて、特に感じたのは、最近の映画は観客に親切過ぎるということ。ちゃんと、物語りの始めから結末までしっかりと描いている。
でも、この作品なんか、長い人生のある一部分だけを切り取って描いてるだけ。
それでも、そこに至る、それぞれの人生をちゃんと感じさせるし、そのあとのそれぞれの人生もちゃんと予感させる。ただ、ちんけな結末はあえて描かない。
「タクシー・ドライバー」なんかもそうだけど、それ故に、その頃のアメリカが背負った傷がいかに深刻かを訴えかけるわけです。
なんか、上手く伝えられなかったけど、とにかく観て下さい。僕の唄や、小山さんの唄に通じる景色が、きっと発見出来るはずです。

(2005.3.25)

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