このコラムも第二回目を迎えました。で、今回は本について。

20代の頃、極度の活字中毒で、1週間にハードカバーを3~5冊ほど読んでました。
30代に入って、それもかなりおさまってたのですが、昔ほどではないにしろ、最近、また少しぶりかえしてるきらいがあるみたいです。もっとも、あの頃はもっぱら小説が殆どだったのに比べ、最近は、評論とか、対談みたいなものの占める割合いかなり増えてきてます。それでも、今年に入って、続けざまに面白い小説に出会ったので、いくつか紹介したいと思います。
僕は基本的に、芥川賞と、直木賞には、あまり興味がない人間なのですが、まあ食わず嫌いもいかんかと思い、がんばって読んでみようと思ったのです。でも、ほら、受賞作はまだ文庫出てないし、高い金出してはずれたら悔しいので、受賞以前の作品を無作為に一冊づつ読んでみました。芥川賞の阿部さんは「無情の世界」直木賞の角田さんは「キッズ・ナップ・ツアー」を、それぞれ読ませていただきました。
阿部さんは、文句無しにうまいですね。すごく緻密というか、それでいて熱もあって、町田康をもっと繊細にした感じ。

それに比べて角田さんのほうは、うまさでいうとまあそこそこかなと。とは言っても、
宮部みゆきほど酷くはないですけど。しいて言えば鷺沢萌に少し近いかな?
文章のタイプって言うのは、大きく分けると二つあると思うんですよ。一つは、形のあるものの、輪郭をぼかすのがうまいタイプ。もう一つは、形のないものに輪郭を持たせるのが上手いタイプ。阿部さんは前者で、角田さんは後者かな、と。
才能とか、上手さでいうと、これはもう圧倒的に阿部さんなんだけど、どっちが好きか?というと、何故か角田さんなんだなこれが。
あと、今一番凄いと思う小説家は久坂部羊さん。この人現役の医師で、作品もその医療現場を描いたものです。確か、まだ二作しか出版されてなかったと思います。
一作目の「廃用身」が凄かったのですが、ニ作目の「破裂」がこれまた輪をかけて凄い。超長篇なのですが、二日ほどで一気に読んじゃいました。医師故のリアリティーは、言うまでもないのですが、それにも増して、純粋に小説が上手い。そして、それだけに留まらず、高齢化社会が孕む恐るべき問題点を見事なまでに描き出してます。
それと、すばる文学賞受賞作の三崎亜紀氏の「となり町戦争」唸ります。この深さは、意図したものなのか、それとも偶然なのか。いずれにしろ名作であることに疑いはありません。佐藤正午さんも確か「すばる文学賞」の出身で、僕、結構この賞の受賞作って、昔から好きな作品多いんですよ。この作品そんなに長くなく、がんばれば一日で読めるので、良かったら読んでみて下さい。

京都のライブも決りました。早く会える日を心待ちにしています。

(2005.4.8)

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